「ネズミ返しって自分で作れるの?どんな材料が必要?」と調べているのではないでしょうか。
ネズミは配管・柱・ロープといった垂直な構造物を伝って建物内に侵入します。ネズミ返しはその経路を物理的に遮断する、昔から使われてきた実績のある対策です。
市販品もありますが、原理さえわかれば自宅にある材料や100円ショップのアイテムで自作することも可能です。
そこでこの記事では、ネズミ返しの仕組みから材料・作り方・設置方法・注意点まで、DIYで挑戦したい方に向けて体系的にまとめていきます。
この記事でわかること
- ネズミ返しが機能する原理と仕組み
- 自作に必要な材料と選び方
- 円盤型・フェンス型の具体的な作り方
- 配管・柱・フェンスへの設置方法
- 効果を出すための注意点と限界
それでは詳しく見ていきましょう。
ネズミ返しとはどんな仕組みなの?
ネズミ返しの原理は非常にシンプルです。「登れない素材」と「越えられない形」の2つを組み合わせることで、ネズミの移動経路を物理的に遮断します。
ネズミは爪を立てて垂直な面を登ります。そのため、ツルツルした表面・ネズミの体より大きな円盤状の障害物があると、それ以上進めなくなります。
倉庫の柱や船の係留ロープにネズミ返しが取り付けられているのを見たことがある方もいるかもしれません。
農業倉庫・食品工場・船舶など、ネズミの被害が深刻な現場では昔から標準的な対策として使われてきました。

①円盤型ネズミ返しの仕組み
縦に伸びる配管・柱・ロープに取り付けるタイプです。
円盤状のパーツを配管や柱に対して水平に突き出した形で固定します。
下から登ってきたネズミは、傘のように張り出した円盤の裏側に差しかかったところで行き場を失い、それ以上進めなくなります。
条件は2つだけです。円盤の直径が配管の直径より十分大きいこと、そしてネズミが跳び越えられない位置に設置することです。
②フェンス型ネズミ返しの仕組み
高床式の倉庫や農業施設で使われる、床を支える柱や外壁のフェンス上端に取り付けるタイプです。
外側に向かってオーバーハング(突き出し)するように板材や金属板を張り出させることで、フェンスや壁を登ってきたネズミが上端を越えられなくなります。
仕組みは単純ですが、突き出し幅が不十分だとネズミに跳び越えられてしまうため、設計寸法が重要になります。
原理が理解できたところで、実際の作り方に入りましょう。
ネズミ返しの作り方は?材料と自作手順を解説
ネズミ返しの作り方は、型(円盤型かフェンス型か)と使用する材料によって変わります。
まず材料の選び方から確認しましょう。
①使える材料と特徴
| 材料 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| アルミ板・ステンレス板 | 耐久性高・屋外でも劣化しにくい | 屋外の配管・柱 |
| 硬質クリアファイル・PPシート | 安価・加工しやすい(100均で入手可) | 屋内の配管・柱 |
| パンチングメタル(金属ネット) | 通気性あり・強度高め | フェンス型・農業施設 |
| 塩ビ板 | 軽量・加工しやすい | 屋内の簡易設置 |
屋外や農作業小屋などに設置する場合はアルミ板やステンレス板が耐候性に優れています。
屋内の倉庫や住宅の床下・屋根裏付近への設置を試みるなら、硬質クリアファイルやPPシートでも十分な強度があります。
②円盤型ネズミ返しの作り方(配管・柱用)

必要なものは以下の通りです。
- アルミ板またはPPシート(直径30〜40cm程度を想定)
- コンパス(円を描くため)
- カッターまたは金切りばさみ
- 穴あけポンチまたはドリル
- 結束バンド(インシュロック)またはボルト・ナット
手順
- 材料に円を描く。直径は取り付ける配管・柱の直径の3倍以上を目安にする。
- 円の中心から端まで1本の切り込みを入れる(配管に通すための開口部)。
- 中心に配管の直径と同じサイズの穴を開ける。
- 切り込み部を少し重ねて円錐状(傘型)に成形し、結束バンドで配管に固定する。
- 円盤が水平より少し下向き(外側が下がる方向)になるよう角度を調整する。
ポイントは円盤を下向きにすることです。水平だとネズミが縁を掴んで越えようとするケースがあります。外側が少し下がった傘型にすることで、ネズミが裏から体を引っくり返して進めなくなります。
③フェンス型ネズミ返しの作り方(壁・フェンス上端用)

必要なものは以下の通りです。
- アルミ板・ステンレス板またはパンチングメタル
- L字金具またはビス
- ドリル・インパクトドライバー
手順
- フェンスや壁の上端に取り付ける板材をカットする。幅は15〜20cm以上(外側への突き出し分)が目安。
- 板を外側(ネズミが登ってくる方向)に向かって45度程度の角度で傾けた状態でL字金具などで固定する。
- フェンスの全長にわたって隙間なく取り付ける(隙間があるとそこから侵入される)。
フェンス型は農業用の圃場や資材置き場などに向いています。
屋外設置になるため、材料は耐候性のあるアルミやステンレス素材を選ぶのが長持ちのコツです。
作り方がわかったところで、設置場所ごとのポイントを確認しましょう。
場所別のネズミ返し設置方法は?
ネズミ返しはどこに設置するかが効果を大きく左右します。ネズミが実際に使う経路に絞って設置しないと、意味のない場所にだけ取り付けてしまうことになります。
場所別に設置のポイントをまとめます。
①配管・排水パイプへの設置
外壁を沿って垂直に伸びる排水管や給水管は、ネズミが屋根裏に侵入するための主要な経路のひとつです。
円盤型ネズミ返しを取り付ける高さは、地面から1m以上、かつ近くの構造物から跳び越えられない距離が確保できる位置が理想です。
ネズミの跳躍距離は水平方向で最大50cm程度とされているため、壁や塀など周囲の構造物との距離にも注意しましょう。
また、パイプと壁の間に隙間がある場合は、そこからも侵入できてしまいます。
金属たわしやパテで隙間を埋める処置を併せて行うと効果が高まります。
②柱・支柱への設置
高床式の倉庫や物置の床下支柱、農業施設の柱など、ネズミが登って床上に侵入しやすい構造物への設置です。
柱への設置では、地面からある程度の高さ(40〜60cm程度)に取り付けることで、ネズミが助走をつけて跳び越えるリスクを減らせます。
低すぎると地面から直接跳び越えられてしまうため注意が必要です。
複数の柱すべてに取り付けることが前提です。1本だけ設置しても、ほかの柱から迂回されてしまいます。
③フェンス・外壁への設置
農業圃場の防護フェンスや、食品倉庫の外周フェンスなどに取り付けるケースです。
フェンス全体の上端に隙間なく取り付けることが絶対条件です。
一部でも取り付けが途切れると、そこがネズミの通過ポイントになってしまいます。
次に、自作する際に失敗しやすい注意点をまとめます。
ネズミ返しを自作するときの注意点は?
ネズミ返しを作っても「効果が出なかった」という場合、多くは以下の3つのどれかが原因です。
①素手で触らない(人間の匂いをつけない)
ネズミは警戒心が非常に強く、人間の匂いに敏感です。
ネズミ返しを作るとき・設置するときは必ずゴム手袋を着用してください。
素手で触れると人間の匂いが残り、ネズミがその経路を避けるようになります。
せっかく正しい場所に設置しても、ネズミに認識されない状態になってしまいます。
②円盤のサイズは必ず「配管径の3倍以上」にする
円盤の直径が小さすぎると、ネズミが縁を掴んで越えてしまいます。
取り付ける配管・柱の直径の3倍以上を確保するのが最低ラインです。
たとえば直径5cmの配管なら、円盤の直径は15cm以上必要です。
余裕をもって20cm以上取れると安心です。
③取り付け箇所に隙間を残さない
円盤と配管の間に隙間があると、そこからすり抜けられます。
結束バンドや金具でしっかり固定し、ぐらつきのない状態にしてください。
また、壁や床など周囲の構造物との距離が近い場合、ネズミが壁を蹴って跳び越えてしまうことがあります。
周囲50cm以内に足がかりになるものがないか確認してから設置しましょう。
注意点を踏まえたうえで、ネズミ返しの限界についても知っておくことが大切です。
ネズミ返しだけでは不十分?根本解決のために必要なこと
ネズミ返しは侵入経路の一部を塞ぐ有効な対策ですが、それだけで完全にネズミを防ぐことはできません。
ネズミは配管や柱だけでなく、外壁のひび割れ・換気口・排水溝・屋根の接合部など、わずか2〜3cmの隙間からでも侵入します。
ネズミ返しが効かない経路から入ってきてしまうと、せっかくの対策が意味をなしません。
根本的な解決のためには、以下の対策を組み合わせることが重要です。
- 侵入経路の全面封鎖:ひび割れ・穴・隙間をパテや金属たわし・防鼠板でふさぐ
- 捕獲・駆除:粘着シート・捕獲器で屋内にいるネズミを減らす
- 環境整備:食べ物・水・巣材になるものを取り除く
- ネズミ返しの設置:主要な登坂経路を物理的に遮断する
建物の老朽化・複雑な配管構造・床下や屋根裏への複数の侵入経路がある場合は、個人での完全な封鎖が難しいのが実情です。
「自分でやってみたが何度も再発する」「どこから入ってくるのかわからない」という場合は、建物構造に詳しい専門業者に調査してもらうことを検討してください。
見積もりや現地調査を無料で行っている業者も多いため、まず相談だけしてみるのもひとつの選択肢です。
まとめ
今回は、ネズミ返しの作り方について原理・材料・設置方法・注意点まで解説していきました。
- ネズミ返しの原理は「ツルツルした素材」と「傘型の突き出し形状」でネズミの登坂を物理的に阻止すること
- 円盤型は配管・柱用、フェンス型は外周壁用。材料は屋内ならPPシート、屋外ならアルミ・ステンレスが適している
- 作る際は素手で触らず、円盤径は配管径の3倍以上を確保し、隙間なく固定することが重要
- ネズミ返し単体では不十分。侵入経路の封鎖・駆除・環境整備との組み合わせが根本解決につながる


